こうなることを望んでいた!?
2010年02月06日(土)
5年前の冬

72歳だった父がすい臓がんと診断された

父と母は東京の片隅に2人で生活していた

父からがあり

年末年始に家族で来て欲しい、と言われた


夫にはNY旅行をキャンセルしてもらい

重たい気持ちで実家へ向かった


父は

私の夫や子どもたちに

自分の病状を話し

娘(私です)を頼りにしたいのでよろしくお願いしたい、

と言った

当時妹には幼稚園と生まれて間もない子どもがいて

私より実家に近くに住んではいたが

育児で手一杯の状態だった


ふたり姉妹の長女である私は

親の期待に応えることで認められようとしていたようだ

それが重圧だったと自覚したのは

自分が親になってからなのだが・・・


この帰省中みなで食事をしに行く途中、

私は足が腫れあがるほどの捻挫をした

年末年始だったので遠方の救急当番医へ駆け込み

幸い骨折はしていなかったが

帰ってみると父が今まで私が見たこともないほど

心配そうな顔をしていた

遅いので病院に電話してみようと思っていたところだった、と

私の足を高くあげておけるように座布団を重ねてくれたり

私の家族に

「お母さんをみんなで助けるように」と言ったり

およそ今までの父のキャラではあり得ない言動を目にしたとき

私はこうなること望んでいたのかもしれない、と思った

仕事一筋で家庭を顧みなかった父

そんな父の最期を頼みたいと言われ

その期待に応えなくてはと思う気持ちと

あまり父に甘えた記憶がないという

アンビバレントな思い

自分が怪我をすることで

父が想定外の心配をしてくれた姿を見ることができた


私はこうなることを望んでいたんだ


それから5ヵ月後父は亡くなった

2週間の入院生活で

「お前は本当に冷たいなあ」と苦笑いされたこともあったけど

それはお互い様でしょと心の中でつぶやいた


その時の捻挫が今だに完治していなくて

数日前児童館で子どもと風船バレーをしたせいか?

足首とかかとが痛いです

でも痛みと共に

最後の父との和解を思い出すので

無理に治さなくてもいいか〜とも思っています

小指の思い出・・・ならぬ「足首の思い出」





2010-02-06 14:35 | 記事へ | コメント(8) | トラックバック(0) |
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海の見える家で暮らしています。通信制大学で心理学を勉強し、2011年春卒業しました。

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