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2011年12月12日(月)
日本人の<原罪>@北山修
KAZEさんのブログで紹介されたです



私が今年読んだの中で

間違いなくベスト3に入るです



精神科医であり

「帰ってきたヨッパライ」に代表される

シンガーソングライターである北山修氏と

国文・神話学者である橋本氏の考察、

そしてお2人の対談からなっています








http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/4062879751.html





・・・私には、対象喪失にかかわる「はかなさ」の体験を取り上げ

その美しさとそれに伴う危険を論じることを目的とした論考がある。

とくに日本の神話や昔話のなかにたびたび登場し、

私が「自虐的世話役」と呼んだ人たちがいる。

こうした人たちは、

昔話の「鶴の恩返し」や「夕鶴」の女性主人公のように

自らを傷つけてまで他者に奉仕し、

消えていこうとする。
               本文p44






イザナキ・イザナミ神話や

「鶴の恩返し」などに共通するのは

「見るなの禁止」です。


見るなの禁を破った男は

完全な存在だった母親に幻滅する子どもとして描かれています。

自らの欲望により対象を傷つけ、

また破壊してしまったことへの罪意識を抱えます。

しかし、日本の神話では「禁を破った」罪は問われません。

橋本氏は、禁を破った側に対する寛容性と、

「罪」を「水に流す」というこの国の思考方法は、

他国にはなかなか理解されない、と指摘します。




・・・・<禁>を破った側の<罪>を問わないという解決方法のなかに

<この国>における<罪悪感>の本質が存在している。

                       p139





北山氏は

「鶴の恩返し」や「夕鶴」のような

「過剰適応」の臨床ケースを治療・報告しています。




これからしばらく北山氏の関連本を読んでいこうと思います。
2011-12-12 21:03 | 記事へ | コメント(6) | トラックバック(0) |
| ★読書 |
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