何者

http://www.shinchosha.co.jp/wadainohon/333061/
若き直木賞作家浅井リョウ氏の
就活をテーマにした小説です。
娘が貸してくれました。
ラストシーンが「何者」に通じるテーマなんだけど
私がうんうん、とうなずいたのは
心を病んだ母親と暮らす女子大生の言葉。
「最近わかったんだ。人生が線路のようなものだとしたら
自分と全く同じ高さで、同じ角度で、
その線路を見つめてくれる人はもういないんだって」
「今までは一緒に暮らす家族がいて、
同じ学校に進む友達がいて、学校には先生がいて。
常に、自分以外に、自分の人生を考えてくれる人がいた。
・・・中略・・・
いつだって、自分と全く同じ高さ、角度で、
この先の人生の線路をみてくれる人がいたよね。」
「だからこれまでは、結果よりも過程が大事とか、
そういうことを言われてきてたんだと思う。
それはずっと自分の線路を見てくれてる人がすぐそばにいたから。
そりゃあ大人は、結果は残念だったけど過程がよかったから、
それでいいんだよ、って子どもに言ってあげたくなるよね。
ずっと、その過程を見てきたんだから。だけど。」
「もうね、そう言ってくれる大人はいないんだよ。」
「私たちはもう、そういう場所まできた。」
本文 P215より
他の同級生よりも早く大人になった彼女。
就職することがこんなに難しい世の中になるなんて
私たちの頃には想像もつかなかった。
エントリーシート作って
WEB試験受けて
面接やグループディスカッションして
自分を「盛って」いくうちに
自分が「何者」なのかわからなくなるのかな。
流行りのSNSも、疲れるんだろうなあ。
2人の子どもを
まだ社会に送り出せていない我が家にとって
今の就活をめぐる学生の心理状態がよくわかる小説でした。
大学生をもつ親御さんに読むことをお勧めします。
私たちの頃とは全く違う
就職活動状況がよくわかります。
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2013-07-26 23:32
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朝井リョウさんは、先日、情熱大陸に出演されていましたね
そのときに『世界地図の下書き』を執筆している様子が映し出されていて興味を持ちました
今日の新聞の別刷りにも登場されていて
現代を走る若者だなと思いました
次の日の朝刊別刷に特集されていたので
ビックリしました
情熱大陸は見逃しました
東北の就労訓練の
会員制居酒屋さん
私の住む町にも同じコンセプトのカフェがあるようです